この度、ドローンで愛車を撮影し、動画制作するサービス「Sora Reco(そられこ)」をスタートいたしました。
Sora Recoは、プロカメラマンによるドローン撮影および様々な機材を用いた愛車のオリジナルムービー制作を、ワンストップで提供します。映像制作例はこんな感じです。
単なる車好きだった自分がなぜ本サービスを作ろうと思ったか、思いの丈をぶちまけてみたいと思います。
お手隙の際に読んでもらえたら嬉しいです。
全ては「車は人生の一部」という考えから
一般的な感覚だと車は道具でしかありませんが、私たち車好きにとっては、車という存在はもはや人生の一部なのではないかと思っています。
我が子の写真を親御さんが一生懸命撮影するように、私たち車好きは車の写真や映像を思い出として残したいという一面があります。
ただ車には1つだけ、どうしても変えられない前提があります。
それは、「いつかは手放すときが来る」ということ。
私自身幼少期から車が好きで、18歳から所有しています。しかし1台の車をずっと乗り続けてきたわけではありません。
ライフスタイルの変化や経年劣化により、寂しい気持ちを感じながらも乗り換えを行ってきたわけです。
当時の写真はいくつも残っていますが、ハンドルを操作した感触とか、乗り心地とか、走行音とか、そういった「乗っていた時に感じていた感覚」は、なかなか思い出せなくなるもの。
だからこそ、「愛車に乗っている時の感情を、なんとか一生の思い出として残すことはできないか」と考えました。
しかし”いま愛車と過ごしている瞬間”を最高の形で残すためには、やはり特別な体験が必要不可欠。そこで様々な方にヒアリングを行い、アイデアとして出てきたのがドローン撮影だったのです。
乗り換えた後も、「あの車と過ごした時間は最高に楽しかった」と何度も懐かしむキッカケになってほしい。Sora Recoはそんな想いから生まれました。
ドローン撮影を全ての車好きが体験できる価格に
「ドローンで愛車を撮影」と聞くと、なんとなくワクワクする。そういう感情を持っていただける方も多いのではないかと思います。
しかしながらドローン撮影を行っている世の中のサービスを調べてみると、車専門のところはほぼありません。そしてなにしろ料金が高額。
ざっくりの相場感でいうと、大体2時間ぐらいの撮影で動画編集なし、その他撮影もなしで20~40万円です。これでは、一部の富裕層か大企業にしか利用できない可能性が高いです。
高額になってしまう要因として挙げられるのが、機材費です。ドローンは様々な用途に利用できることから、測量や企業のプロモーション、スポーツ等まで広く対応している企業がほとんどです。
つまり対象が多くなることでさまざまな機材が必要になり、その購入費が料金に上乗せされてしまう。結果として、高価な料金になってしまうのだと思われます。
そこでSora Recoでは、車とバイクのみに特化することで、必要な機材をグッと絞っています。もちろんクオリティに妥協はなく、満足度の高い映像を撮影するための機材導入は惜しみなく行いました。
運営も少数精鋭で行い、コストを極力カット。
このような工夫の結果、ハイクオリティな撮影~編集まで全て含め15万円以内という価格を実現できているのです。
もちろん、Sora Recoはドローンを飛ばすだけではありません。パーツ撮りやマイク収録、GoPro取付での走行映像撮影も含めてこの金額です。
Sora Recoができるまでの苦労
Sora Recoができるまでには、思わぬ苦労がたくさんありました。せっかくなので苦労話にも触れておきたいと思います。
特に苦労したのが、下記の3点でした。
- カメラマンの確保
- 映像クオリティ
- 撮影する場所
それぞれどのように解決したか、簡単に触れていきます。
ドローンを操縦できるプロカメラマンと奇跡的な出会い
愛車のドローン撮影サービスを作りたいと決めた段階で、最初に課題になったのがカメラマンの確保です。
私自身、プロの現場で映像制作に関わったキャリアなどなく、しいていえばSNS用素材を撮影するぐらいのもの。当然、お客様の意向に沿う映像を提供できるわけがありません。
そこで、「プロフェッショナルなカメラマンをどうやって見つけようか…」と悩んでいた矢先、ふと思い立った記憶があったのです。
キッカケは結婚式の動画制作依頼
2019年に挙げた結婚式。
当時、結婚式場のスタッフではなく別のカメラマンの方に、オープニングムービーとプロフィールムービーを撮ってもらいました。その時、なんとなしに聞いたのが「ドローン撮影も対応できますのでおっしゃってください」という一言。
「この人だ!!!」と思い立ち、カメラマンさんのプロフィールを調べに調べまくった結果、映像制作会社から独立したキャリアをお持ちということがわかりました。これまで手掛けた映像本数はなんと2,000本。
さらに驚いたのが、ドローンをご自身で操縦できるスキルを持っていたこと。もはや運命としか思えません。詳細をお話したところ「ぜひご一緒したい!」とおっしゃっていただき、タッグを組むことになりました。
車好きを唸らせる映像クオリティを目指して
カメラマンの方と奇跡的に出会えたものの、実際にどのような映像が撮影できるかがわからなければ、お客様に提供することはできません。
特に映像クオリティの確保という課題は、不安を伴いました。
とにもかくにも、まずは実際に撮影してみることに。
結果からいえば、カメラマンさんの神スキルのおかげで非常に素晴らしい映像を撮影することができました。
しかし唯一気になったのが、車好きの価値観をカメラマンさんが持っていなかったこと。
車高を下げている車両の場合、基本的にオーナーは「より低く見せたい」と思うものです。逆にリフトアップなど車高を上げている車両の場合は、より高く見せる画角が重要になります。
カメラマンさんに足りなかったのは、車好きオーナーの好みをピンポイントに突き刺すための視点だったのです。
異なる視点の共有で映像に磨きをかける
車好きの視点を理解するためには、車好きと話すのが1番。
そこで役立ったのが、私が変態レベルの車好きということ。
私の経歴は、18歳からスポーツカーに乗り、乗り換え後ドレスアップカーを自分の手で制作しては賞を獲得。さらに好きが高じてカー用品販売店に約4年勤め、担当商品の販売個数を近畿No.1に。その後欧州車に乗りつつ、吐息まで聞こえるようなオーディオを組む。
これまでの経歴で様々なジャンルの車好きと関わってきたからこそ、好みが手に取るようにわかるのです(もちろん全ての方の気持ちを100%理解できるわけではありませんが)。
カメラマンさんから「これはどう?」「こっちの画角は?」と様々な提案をしてもらいながら、実際に撮ってみてベストな画角を探す。さらにGoProをそこら中に取り付け、撮った動画をすかさずSNSに投稿して反応を見る。これをひたすらやりまくったのです。
結果、様々な画角を撮影するためのマウントを徹底的に導入したことで、ダイナミックな映像を撮影できるように。今では、「これなら必ず喜んでもらえる」と自信を持って言い切れるクオリティになっています。
ドローン撮影の場所選定は法律との戦い
最後に悩んだのが、実際にドローンを飛行させて撮影する場所の選定です。
弊社が導入しているDJI社のドローンは非常に優れた技術で作られており、直感的に操作を行えるようになっています。
したがって難しそうに見える離陸や着陸も、実はボタン1つで安全に完了できるのです。
一方で、ドローン飛行には非常に難しい問題が伴います。その問題とは、日本国内の法律がドローン飛行に対し最適化されていないことです。
現行法では、下記の場所で許可なく飛行させることはできません。
- 人口集中地区の上空
- 空港等の周辺の空域
- 150m以上の上空
- 緊急用務空域
上記に該当しない場所であれば、飛行許可は原則不要の扱いになります。
ただし上記以外の場所であっても下記に該当する飛行をする場合、国交省の許可を受けなければなりません。
- 目視外飛行
- 物件または人から30m以内での飛行
- イベント上空の飛行
- 夜間飛行
このように、ドローンを日本国内で飛行させるのは法律との戦いなわけです。許可不要で飛行させる前提だと、かなり限られた地域で対象物から離れたところを飛ばすしかありません。
当然ながらSora Recoは車を撮るサービスなので、それでは成り立たないのです。
そこで、全国を飛行するための許認可を国交省へ申請することにしました。
自社専用の安全飛行マニュアルを作成
申請に際しては、飛行マニュアルを設定する必要があります。多くの場合、国交省の定める「無人航空機飛行マニュアル」をそのまま使って申請するそうです。
しかしながらよくよく国交省のマニュアルを確認すると、「海以外で飛ばすな」という結果にしかならないほど、かなり制限の厳しい&曖昧な内容なのです。
例として抜粋すると、マニュアルには下記のような記載があります。
不必要な低空飛行、高調音を発する飛行、急降下など、他人に迷惑を及ぼす
ような飛行を行わない。高圧線、変電所、電波塔及び無線施設等の施設付近では飛行させない。
参照:国土交通省航空局標準マニュアル②より抜粋
パッと見もっともな内容なのですが、よく考えてみると非常に曖昧なのがわかるかと思います。
「他人に迷惑を及ぼすような飛行を行わない」というところは至極当然であるものの、そもそもどういう飛行が迷惑に感じられるのかなんて人によって基準が異なります。
また高圧線のくだりにおいても、高圧線施設”付近”がどれぐらい近くなのかも明記されていません。高圧線の近くで飛ばすなという言葉だけを遵守すると、日本国内全ての電信柱付近で飛行できないことになってしまいます。
このような理由から、Sora Recoでは国交省の飛行マニュアルを適用せず、自社専用の飛行マニュアルを作成することにしました。
さすがにマニュアルの作成をなんのノウハウもない私が行うのは時間がいくらあっても足りないと思い、ドローンの飛行許可を専門とする行政書士さんとタッグを組むことに。
行政書士さんに「そんな内容の申請は前例がない」「審査で落ちるかも」と言われながらも、「サービスを行う上でここは譲れません」と議論しつつ業務内容に沿ったマニュアルを作成し、申請しました。
結果、一発で審査を通過、全国の飛行許可を受けることができました。
自社マニュアルに沿った飛行であれば、下記の地域および飛行方法でも対応できるように。
- 人や物から30m以内での飛行
- 人口集中地区の上空
- 目視外飛行
- 夜間飛行
国交省の許可を得たことで、安心してサービスを提供できる環境が整いました。
飛行場所はロケーション最高な淡路島
許認可と並行して、撮影地域の選定も行いました。
しかし先述したように、ドローンが飛行できる地域は限られています。さらにSora Recoは映像を提供するサービスですから、ロケーションにも妥協は許されません。
そこで候補として挙がったのが、私が前々から大好きな淡路島でした。
淡路島北部周辺は飛行制限区域がほとんどなく、空港等の影響もほぼありません。また海もあれば山もあり、車を撮るには最高のロケーションなのです。
大好きな場所ということもあって撮影場所は淡路島に即決。早速、ロケハンを行うことに。
実際に撮ってみては「ここ良いね!」「良いと思ったけど映りがいまいち」「他の人の迷惑になるから却下」とひたすら地味な作業を繰り返しました。気づけばGoogle Mapが保存ポイントだらけに。
実は我が家から淡路島まで片道2時間かかるのですが、一度のロケハンだけでは納得がいかず、何度も現地へ足を運びました。結果、スポット探しだけで1,000km以上走り回ることに。
ロケハンで走り回っている最中の私の心境は「車好きに最高の思い出を作ってほしい」だけです。
その甲斐あって、安全を確保しながらも最高の映像が撮影できる場所を見つけることができました。
何かを始めるのは大変。だけど想いが行動を支えてくれる
まだ始めたばかりですが、正直「絶対上手くいく!」というような自信を持っているわけではありません。
また儲けるためだけに事業をするなら、こんなニッチかつ取り扱いの難しい分野は選ばないのが普通です。
それでもスタートまでこぎつけられたのは、運良く多くの方の手助けを得られたことと、とにかく「全ての車好きに最高の思い出を残してほしい」という気持ちが強かったから。
一生の中で、愛車と触れ合える時間なんてほんの僅かです。だからこそその瞬間を最高のロケーションとプロの技術で彩り、いつでも思い起こせるような形で残してほしい。
ただの車好きだった私ですが、この想いだけなら負けません。だからこそSora Recoを創ったのです。
想いが行動を支え、壁があっても乗り越えていける。自分の創ったサービスが1人でも多くの車好きに届けば、これほど幸せなことはありません。
Sora Recoで最高の思い出を愛車と作ってみませんか?
Sora Recoは少数精鋭運営ですから、1ヶ月に撮影できる台数は限られています。上限台数に達した時点で、翌月の撮影になります。
Sora Recoはとにかく車とバイクの撮影に特化したサービスですので、最高に映えるスポットもすでに調査済。依頼後は現地で撮影を楽しむだけです。現在は関西一円のみの対応ですが、今後は全国でも撮影を行いたいと思っています。
料金も非常にシンプルで、オプションがいくつも含まれているセットプランもご用意しています。料金の詳細は下記をご覧ください。
車好きの皆様の思い出作りをお手伝いできる機会を、楽しみにしております。
長文をお読みいただき、ありがとうございました。今後ともSora Recoをよろしくお願いいたします。
お問い合わせは下記のボタンより承っております。